矯正治療を行うにあたり精密検査を行います。
その中で横顔やお顔の正面のレントゲン写真を撮影します。
このレントゲン写真をセファログラム(頭部X線規格写真)と言います。今回はこのセファログラム(頭部X線規格写真)についてお話しさせて頂きます。
セファログラムとは?
セファログラムは一定の規定に基づいて撮影をするので、治療前と治療後の比較ができたり、お子さんでは経年的に撮影することにより成長の過程が確認できます。
第4版 歯科矯正学より
X線を照射する場所から被写体の距離、被写体からフィルムまでの距離、X線を照射する場所からフィルムの距離が定められているので「規格」写真と言われており、いつ誰が撮影しても同一条件になるようになっています。
その歴史は1931年にBrodbentによって矯正学に導入され、頭蓋顔面部の成長発育の研究に用いられていました。その後1948年にDownsが臨床面における症例分析として用いるようになり、矯正治療にセファログラムが使用されるようになりました。
日本では1954年に飯塚と石川が日本人の正常咬合者の基準値を設定し、現在まで診断を行う際に用いられています。
セファログラムはどう使用するのか?
矯正治療では主に横顔(側方)のレントゲン写真を用います。横顔の写真を側方頭部X線規格写真(ラテラルセファロ)と言いい、治療方針を立案するにあたり分析を行います。
分析の方法ですが、側方頭部X線規格写真から硬組織(骨格)と軟組織(お顔)をトレースしていきます。その後、計測点をプロットしていきます。計測点は分析方法等で多少変わりますが、多数にわたるので今回は省略させて頂きます。
第4版 歯科矯正学より
計測点をプロットした後に分析・計測を行い、上下顎の位置関係、歯の角度、骨の大きさや形態等の現状を把握します。
結果の表は診断の時にお見せして結果についてお話しさせて頂きます。
角度分析の結果
線分析の結果
なぜセファログラムが必要なのか?
なぜ計測が必要なのかと言うと、例えば「受け口」と一言で表しますが、その原因は様々な理由があります。
骨の原因
1.下顎骨が前に出ている
2.上顎骨が後退している
3.下顎骨が前にでているし、上顎骨が後退している
歯の原因
1.下の前歯が外側に傾いている(唇側に傾斜している)
2.上の前歯が内側に傾いている(舌側に傾斜している)
3.下の前歯が外側に傾いていて、上の前歯が内側に傾いている
これに骨の原因と歯の原因が入り混じった場合もあります。
骨の原因があるのに歯だけを治しても意味がありません。この様に頭部X線規格写真を撮影・分析を行うことにより、原因を把握し適切な治療を行う事が出来ます。
そのため、正確な診断を行うには頭部X線規格写真を撮影することはとても重要なことです。
また、お子さんの治療では経年的に撮影するので、前回と比較して骨の成長量や成長方向など様々な分析も行う事が出来ますし、現在行っている治療の効果なども把握することが出来ます。
まとめ
頭部X線規格写真は正確に矯正治療を行うにあたりなくてはならない物の一つです。
通常の矯正専門の病院には必ずある機材です。
治療をお考えの際には頭部X線規格写真を撮影する病院なのかも考慮することをお勧めします。
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